虹海 総合支援ステーションから!

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第245回 統合失調症について②

9月も中旬となって気温も下がり、過ごしやすくなりました。
気温の変化で体調を崩しやすい季節ではありますが、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋といろいろなことが楽しめる時期ですね。


前回に引き続き、統合失調症についてお伝えしていきます!<統合失調症の一般的な症状>


統合失調症は、陽性症状・陰性症状・作業能力の障害があります。


◇陽性症状


 ●幻聴
 ●被害妄想
 ●不安定な感情
 ●奇異な行動
 ●思考の混乱


陽性症状はこの病気の特有の症状で、発病後間もない急性期や再発のときにみられるものです。


陰性症状


 ●社会的引きこもり
 ●感情鈍麻
 ●言語貧困
 ●意欲減退
 ●注意力・集中力の低下
 ●無関心


陰性症状は発症した時点から現われることもありますが、通常は急性期のあとに長期間みられる症状です。


◇作業能力の障害


 ●記憶力の減退
 ●融通性の低下
 ●作業スピードの遅さ
 ●了解の悪さ
 ●心身の極端な疲れやすさ



※回復のスピードには個人差があります。
この病気の経過は人によってさまざまで、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に回復していきます。
数ヶ月〜数年という長い目でゆっくりと焦らずに見守っていくことが大切です。


◆前駆期…発症前には何らかの兆候がみられます。


 ○睡眠障害
 ○感情の起伏
 ○焦りの気持ち
 ○身体的な不定愁訴
 ○神経症状態


◆急性期…幻聴、妄想、思考の混乱、興奮などの激しい症状がみられます。本人に病識がないのが特徴です。


 ○不安緊迫感
 ○幻聴
 ○被害妄想
 ○滅裂
 ○興奮
 ○奇異な言動


◆回復期…急性期の精神状態が治療により治まった後の疲れきった心身を回復させるための充電期間。


 ○過度の眠気
 ○意欲低下
 ○倦怠感
 ○甘え


◆慢性期…急性期の症状が治まった後にも、病的な症状が持続する時期。精神機能全般にわたるエネルギーの低下が特徴です(陰性症状)。陽性症状が消失せず長く続くこともあります。


 ○活動性の低下
 ○周囲への無関心
 ○感情の欠如



【焦らずゆっくり治療を続けましょう】


この病気は、きちんと治療を続けていれば繰り返す頻度は少なくなり、人によってはかなり良好な状態にまで回復することが可能です。
そのためには、患者さんご家族も焦らずにゆっくり、病気と気長に付き合っていくという姿勢が大切です。