虹海 総合支援ステーションから!

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第248回 統合失調症の治療③

 1日1日と秋が深まり、少しずつ木々も紅葉してきました。過ごしやすい時期はあっという間なので、今のうちに外出を楽しみたいものです♪

さて、今回も前回に引き続き、「統合失調症の治療」についてお話します。前回は、急性期の治療と慢性期の治療についてお伝えしましたが、今回は、「従来の治療薬」と「新しい治療薬」についてお伝えします。


● 従来の治療薬について

<主な作用>
・幻聴や妄想を抑える。
・興奮状態を和らげ、神経の鎮静化を図る。

<主な副作用>
・錐体回路系副作用
 …手の振るえ
  筋肉がこわばって動作がぎこちなくなる
  身体が落ち着かずじっとしていられない(そわそわする)
・ 眠気が強い、体がだるい
・ 口が乾く、かすみ目、尿が出にくい、便秘
・ 無月経、乳汁漏出、性欲の減退

      ↓  ↓  ↓
※※※以下のような状態のときには、【新しい治療薬】への切り替えを検討※※※

・ 陽性症状が改善されない
・ 不快な副作用がある
・ 薬で行動が制限されていることが不満
・ 陰性症状が改善されない
・ 現在は副作用はないが、将来的に副作用が心配
・ 服薬回数の多さが負担に感じる

      ↓  ↓  ↓

● 新しい治療薬の特徴

・ 陽性症状にも従来薬と同等の効果が期待できる
・ 陰性症状にも効果が期待できる。(意欲、活動性の低下を回復させる)
・ 錐体外路系の副作用が起こりにくい
・ プロラクチンを上昇させにくい(無月経、乳汁漏出、性欲の減退が起こりにくい)
・ 1日の服薬回数が少ないものもある
・ 認知障害にも効果が期待できる(物事を考えやすくなる)


 お薬の種類に加え、お薬の形も色んなものがあります。同じ疾患を抱える方でも症状も様々であり、合うお薬も異なることもしばしばです。一定の期間経過しないと薬効がわからないので、お一人お一人にあったお薬が見つかるまでは、少し根気がいるかもしれません。治療を続ける中で「飲みにくいな」「これは副作用かな?」と重いことがあれば、お気軽に主治医にご相談下さい。月経や乳汁等の異性にはなかなか言いにくい症状もあるかもしれません。そのときは、看護師を通してお伝えすることも可能です。是非ご相談ください(*^ ^*)

 次回は、「統合失調症」と「糖尿病」との関連性についてお話いたします!