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第180回 認知症について〜疾患別対応法⑧−1〜徘徊について

早いもので3月も中旬となり、新しい季節とともに、新しい年度の始まりが近づいているこの頃。新しい年度に向け、色々と業務の整理を行いと思うのですが、日々の業務に追われ後回し。明日こそは。。
でも、そういえば、昨年もこんな風に思って結局できていないような・・・(^^;)人間すぐにはなかなか変われませんね。

さて、今回は『徘徊』について少し説明したいと思います。

一言で『徘徊』といってもその内容や理由は人によって、また場合によってさまざまです。以下に主な徘徊の理由を挙げます。

①もの忘れによる道迷いの結果の徘徊
あまりよく知らない場所で道に迷ってしまうために、帰ってこられず歩きまわるケースです。アルツハイマー病の方でよく認められます。健康な人であれば、1回で覚えられる道順も、アルツハイマー病の方では覚えられません。また元の場所に戻るとこもできません。そのまま歩き続け、行方不明になった場所から遠い場所で保護されるようなことも起こります。

②視空間認知障害による道迷いの結果の徘徊
私たちは目で見た情報を脳の中で分析して方向、距離、位置などを把握します。このようなことができなくなった状態を視空間認知障害と呼びます。アルツハイマー病、レビー小体病の方は、視空間認知障害が起こりやすく、このため道に迷います。よく知った家の近所で迷ったり、昔から住んでいる家のなかで迷う、トイレの場所が分からないなどの場合は、これによる可能性が高いです。

次回は、③情動的周遊 ④差し迫った必要を感じてある目的に向かって歩く徘徊についてご説明させていただく予定です。

お楽しみに!