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第179回認知症について〜症状別対処法⑦ 妄想〜

 梅の花が咲いているところと散っているところとがまぜまぜになってきました。小城市の牛尾梅林も、頂上は盛りですが麓は散っていました。あたたかくなってきましたね。 この陽気がこのまま続くかと思いきや、また寒の戻りがあるとの予報が出ています。花粉症の季節ということもあり、マスクがしばらく手放せそうにありませんね…。

 事実でないことを本気で信じ込むことがありますが、これを妄想と言います。妄想もいろいろありますが、認知症の症状で多いのが

・もの盗られ妄想⇒金品などを盗まれたという思い込み
・嫉妬妄想⇒パートナーが浮気をしているという思い込み

 といった妄想です。他に「誰かが家の中にいる」「ここは自分の家ではない」という思い込みもあります。
 
 この妄想は、ご本人が「事実」「真実」と思い込まれているのですから、否定してもかたくなになられるだけです。
 ご本人が妄想を訴えられるときは、「そうですか、困りましたねえ」など相づちを打ちながら訴えを聞き、否定せず、また肯定もしない態度で接することが大切です。

 妄想は、ご本人には「事実」ですが、周囲にとっては事実無根の話でもあります。ご本人に接する方へ、認知症の症状の一つとしての妄想を説明し、理解を得ておきましょう。妄想の対象となる方はご本人にとって代えがたい重要な人物であることがほとんどです。対象にされることは辛いですが、周囲の理解と協力を得る良い機会ができた、とプラスに解釈して、介護の味方を増やして下さい。

 ご本人が、妄想の対象者が近くにいることで激しく混乱したり、介護者の負担がかかっている場合は、介護施設の入所や病院への入院などを利用してみるのも一つの手段です。ケアマネジャーやかかりつけ医、専門医とよく相談して、ご本人と介護者双方にとって良い選択を行ってください。