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第227回 レビー小体型認知症の介護の基本

最近は暖かい日が多くなってきたように感じますが、
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
唐津や福岡ではインフルエンザのお子様が増えているようで、
この時期でも油断できないと改めて感じました。

今回も、レビー小体型認知症のお話となります。

レビー小体型認知症アルツハイマー認知症以上に、周囲の方の対応や介護、治療薬により症状や経過が大きく変わります。
そのポイントを3つ、お伝えいたします。

①適切な薬物治療
レビー小体型認知症は、頭の中で情報を伝えているアセチルコリンという物質がアルツハイマー認知症以上に少なくなっているそうです。その為、アセチルコリンを働かせる作用のあるお薬は、レビー小体型認知症に、より効果的であると考えられています。
その治療薬は、
1、注意障害・視覚認知障害などの認知機能障害に対する薬
2、幻視や妄想などの精神症状に対する薬
3、パーキンソン症状に対する薬

の3種類が必要に応じて使われます。
レビー小体型認知症の方は、お薬に敏感に反応することが知られています。さまざまな副作用、通常の量でもお薬が効きすぎたり、症状が悪化することがあります。また、市販の風邪薬や胃腸薬で具合が悪くなることもあります。)

②経過にそった適切な介護
レビー小体型認知症の方の多くに、実際にはないものが見えたり(幻視)、睡眠中の大声の寝言、また、歩行や動作に支障がでるなどアルツハイマー認知症ではあまりみられない症状があらわれます。また、初期にはアルツハイマー認知症で多くみられる物忘れなどの記憶障害は目立ちません。
レビー小体型認知症ではいろいろな症状があらわれるほか、経過にともない目立つ症状が変わってきます。ご本人の症状をよく観察し、症状に合わせた対応が重要です。

③転倒の予防
レビー小体型認知症では、パーキンソン症状という身体の筋肉や関節が固くなり、思うように動かなくなる症状があらわれます。
動作もゆっくりになり、小股やすり足で歩くため何も無い場所でもつまずきやすくなります。また姿勢を保ったり、立て直す反射機能もおとろえるため、少しの接触が転倒につながります。
さらに、頭がはっきりしている時とそうでない時の状態の変化にともない、注意力、集中力が低下するため、転倒の危険がより大きくなります。(アルツハイマー認知症の方に比べ、レビー小体型認知症の方は約10倍転びやすいと言われています。転倒による骨折がきっかけで寝たきりとなることもあるので注意が必要です)

次回もレビー小体型認知症のお話ですが、「症状と適切な対応について」となります。