10月に入っても台風の恐怖は続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
今回は、「ADHDの治療について」というテーマでお送り致します。
ADHDの特徴を持つ方は、複数の異なる生活環境のさまざまな場面で、日々困難を感じてあるようです。それが積み重なると、精神疾患を併発するなど二次的な問題につながる可能性も考えられます。
だから、
「適切なサポートや治療が必要です」・・・ADHD治療の目標
●職場や学校、家庭での悪循環が好転し、自信を持って自分の特性と折り合えること
●それにより充実した社会生活が送れるようになること
ADHDの特性である不注意、多動性、衝動性をなくすことだけが
治療の目標ではありません。
「治療をするうえでの大事なポイント」
●自分の生活の中の困難を理解し、対処方法を身につけていくこと。
●周囲によき理解者、サポーターを得ること。
治療を始めても、すぐには変化を感じることができないかもしれませんが、徐々に症状が改善し、悪循環ががなくなり、よいサイクルがまわりはじめると、少しずつ成功体験を積み重ねることが増えてきます。
ADHDの治療には、環境調整などの心理社会的治療と、薬物治療があります。
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【治療の全体像】
①評価・診断・・・子供のころ、現在の問題など十分に先生に伝えてください。
②治療の開始・・・ADHDの特性のためにご自身、周囲の方が困難を感じている場合は、バランス改善する治療を行います。環境調整など、心理社会的治療からはじめます。
③薬による治療の開始・・・必要であれば薬による治療を組み合わせていきます。
④維持期間(治療の継続)・・・治療の継続によって生活の中で改善している点を感じることが増えていくことでしょう。
⑤治療の再検討・・・困っていた点が好転し、十分な期間維持できたら、今後の治療の必要性を再検討します。あせらずに。
⑥しばらく様子を見て、ご自身で生活を組み立てる自信がつき、周囲と折り合いをつけることができるようになれば治療は終了となります。必要なときに必要な支援を受けられることが大切です。
今回は以上となります。どの疾患にも言えることですが、焦りは禁物ですね。
次回は「環境調整」のお話となります。