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第207回 ADHDの正しい理解と生活のヒント〜ADHDの原因〜

10月に入り、地域では小・中学校の運動会が終わり、スポーツの秋が到来しています。朝晩の寒暖の差が大きいので、体調管理には十分にお気をつけ下さい。

今回は、シリーズの続きで、ADHDの原因についてです。
なぜADHDになるのか、どのようにしたら治るのかなど気になる方も多いと思いますが、ADHDの原因については、解明されていないのが現状です。
その中で、実行機能(自分の注意や行動をコントロールする脳の働き)や神経伝達物質(脳内の神経細胞の間で情報をやりとりする物質)の働きが障害されているという説が有力です。

神経伝達物質について
難しい話になりますが、脳内には、ノルアドレナリンドパミンなど数多くの神経伝達物質があります。
神経細胞から放出された神経伝達物質は、隣の神経細胞神経伝達物質受容体に結合し、情報を伝達します。受容体に結合しなかった神経伝達物質は、トランスポーターと呼ばれる取り込み口から元の神経細胞に再び取り込まれます。
ADHDでは、このトランスポーターが過剰に働き、神経伝達物質を再取り込みしすぎてしまい、隣の神経細胞へ結合が上手くいかず、情報が伝達されにくいと考えられています。

原因ははっきりとしていませんが、治療や環境調整など様々な方面からの支援や工夫が可能となってきています。次回は、治療についてのお話です。