虹海 総合支援ステーションから!

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第200回 認知症について〜せん妄について〜

お盆となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?久しぶりに帰省されていたり、お仕事の方もいらっしゃったりと色んな方々がいらっしゃると思いますが、私は仕事でしたが、出勤途中に渋滞に巻き込まれて遅刻しそうになりました。

認知症に関しても色々なお話しさせていただきましたが今回は「せん妄」に関してです。
「せん妄」と言ってもわかりにくいかと思いますが、例を挙げますと、急に落ち着きがなくなる、辻褄の合わないことを言う、興奮する、家族の顔がわからなくなる、幻をみる、荷物をばらまく、裸になってうろうろする・・・などの症状で、本当に急にこういう状態を目の当たりにしたらご家族様は驚かれると思います。このような状態が夜間に出現すると「夜間せん妄」と呼ばれています。夜間せん妄の場合は昼間になると症状が落ち着きます。不思議ですが。感染や発熱が原因の場合はその原因となっていることが落ち着けば、症状も軽減します。

対応法についてですが、


①あわてずに落ち着く。
まず、周りの方は落ち着くことが大切です。


②無理に制止しない。
言動や興奮を無理に止めようとすると、ますます興奮して暴言、暴力に及ぶことがありますので、焦らずに様子を観察しましょう。


③優しい話しかけを。
不安や恐怖、困惑の強い時はご本人を一人にしないようにつきそい、優しく話しかけます。名前を呼びかけ、介護している方の名前を知らせ、そばについているから安心するように伝えます。また、場所や時間を教えるなど、ご本人に落ち着いてもらい、安心してもらうことが大切になります。


④ご本人の話をよく聞いて。
どうしてそのような行動をとるのか、よくお話しを聞いてみてください。一番、恐怖や不安を感じているのはご本人自身です。おかしいと思っていても否定せずに「これで困っているのですね」「このことを怒っているのですか?」と相槌を打ってください。気持ちをわかってもらえたと思うと安心されます。せん妄は症状の変動が激しいので、食事や水分の摂取、トイレの誘導など必要な援助は症状の軽いときにタイミングよく行いましょう。


⑤静かで安全な環境を。
刺激的な音や光は避けて、静かな環境のなかで過ごせるようにします。身のまわりの危険なものは片付け、安全な環境にします。


⑥医師に相談を
正しく治療し、原因を取り除けば症状は軽減します。明らかに「せん妄」とご家族でわからなくても、ここ数日で急に認知症が進んだように思われるときは、医師に相談をされることをお勧めいたします。


それでは、今回は失礼させていただきます。次回は「興奮と暴力行為」の予定です。