虹海 総合支援ステーションから!

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第199回 認知症について〜夕暮れ症候群について〜

日中の気温が30℃を越す毎日ですが、
皆様に置かれましてはいかがお過ごしでしょうか。
天気予報では、「高温注意報」という
10数年前には聞いたことがなかった呼びかけが
毎日テレビ、ラジオから聴こえてきます。
高温注意報で「危険」となっているときには
水分補給、室内温度に十分気を配ってくださいね。


さて、今回は「夕暮れ症候群」についてお伝えいたします。
夕方になると、ソワソワして落ち着かなくなったり
少しのことに声を荒げたり、
「そろそろ家に帰らせていただきます」と徘徊を始めたりするのは、
認知症に関わる人の間ではよく知られていることです。


これを「夕暮れ症候群」と呼んだりします。
一般的な生活の中でも、夕方は晩御飯の用意を始めたり、
帰宅したり、何かと慌ただしくなる時間帯ですから、
ご本人も「いつまでもここにいていいのかしら」、
「何かしなくてはならないことがあるのではないかしら」
と落ち着かない気持ちになってしまうのだと思われます。
また介護者もこの時間帯は何かと忙しくて、
なかなか認知症の方のお世話ばかりしていられない事情が、
この症状に拍車をかけます。
「早く話を切り上げて別の仕事をしたい」と思いながら相手をしていると、
その介護者のソワソワが本人にも移ってしまうのです。


そこで、「夕暮れ症候群」への対処法についてお伝えします。


①好きなことをしているときには起こりません。
ご本人が好きなことをしていたり、夢中になっているときには
「夕暮れ症候群」は起こりにくい印象があります。
なるべくこの時間帯にあわせて、
ご本人の好きなことをしていただけるよう、1日の予定を組んでみましょう。


②会話の中にご本人を加えましょう。
夕方ご本人が一人でポツンとしていることがないように、
介護する方や周囲の方は用事をしながらでも、積極的に話しかけてください。
話の内容は、必ずしも本人向けでなくても、
語尾に「ねえ、お父さん」などとつけるだけでも一体感が生まれます。


③軽食やおやつを食べてもらいましょう。
夕方の空腹感がソワソワした気分を引き起こしていることもあります。
お茶とお菓子、または、おにぎりなどでおなかを少し満たしてもらいましょう。
介護する方も一緒にゆっくりお茶を飲んであげると、より気持ちが和らぐようです。


④照明を工夫してみましょう。
外が完全に暗くなれば不安が治まってくる方もいますし、
逆に暗いと余計に恐怖感が増す方もいらっしゃいます。
ご本人のタイプに応じて、照明を明るくするとか、
夕日が入らないようにするなど工夫されてみてはいかがでしょうか。