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第184回 認知症について〜『徘徊』に対する具体的な対応法〜

H26年4月から精神保健福祉法の改正や消費税の増税など、大きな変化に追われ、慌ただしく過ごしている今日この頃。季節の変わり目も重なり、皆さんも体調など崩されていらっしゃらないでしょうか?朝晩の気温の変化も激しく、油断すると、つい風邪を引いてしまいそうですね。(--;)

さて、今回は、認知症の徘徊の症状に対してどのように言葉をかけていけばよいのか、お話ししたいと思います。

例えば・・「差し迫った必要を感じて、ある目的地に向かって歩く徘徊」があった場合・・・

差し迫った必要を感じて歩き出されるケースでは、ご本人は居ても立ってもいられない気持ちで飛び出そうとします。否定するとムキになるし、暴力や暴言まで引き出しかねません。
「違う」とは言わずに、また「おかしなことを」と笑ったりもせず、耳を傾けて、ご本人がどんな気持ちでいるのか、どこへ行こうとしているのかを聞いて下さい。

そして、「それは大変ですね」「心配ですね」と、まず切迫したご本人の気持ちに共感してあげることが大切です。
その上で、「その服では外へ出られませんから、上に切るものを探しましょう」とか、「食事を作るのでしたらお米や野菜を用意しましょう。それともここで作っていきますか?」「会社に行くのに手ぶらではいけません。カバンを用意しますから、もっていく物を一緒に探してください」というように声掛けし、外出しないで済む用事に関心を向けてもらいましょう。
「子供さんは今日はクラブで遅いです」「今日は日曜日で会社は休みです」と言って納得してもらえることもあります。
それでも出て行かれる場合は、仕方ありません。しばらく徘徊につきあってあげてください。
それから、「少し疲れました。お茶でも飲みましょう」とか、「夜になってきましたから、今日はここで泊まりましょう」、または偶然会ったふりをして「こんなところでお会いするなんて。ちょっと寄っていきませんか?」と帰宅を促します。玄関に鍵をかけるとドアを壊す方もいらっしゃいますが、「さわるな、故障中」と書いて貼り付けておくと、出て行かないケースもあります。

次回も、また声のかけ方についてお話ししたいと思います。お楽しみに。