虹海 総合支援ステーションから!

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第178回認知症について〜症状別対処法⑥ 睡眠の障害〜

 少しずつ春の気配を感じるようになりましたが、花粉症の方にとっては嬉しくもあり、辛い季節の到来でもありますね!!
今年は、飛散が少ないといわれていますが・・・まだまだこれからですね(><)

さて、今回も前回に引き続き、認知症についてお話ししますが、今回は、「睡眠の障害」についてお伝えしたいと思います。

年を重ねるにつれ、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったり、目覚め易くなったりと睡眠の質が悪くなってきます。
認知症の方は、上記に加え周囲の環境変化にも敏感になりますので、生活条件が変わると不眠の原因となることがあります。
また、昼夜の区別がつかなくなったり、日中の活動量が減り、昼ね野時間が多くなったりすると、昼夜逆転して夜眠らずに動きまわり周囲の方が困ることもしばしばです。

では、そうならないためにはどうすれば良いのか具体的にご紹介していきます。

① 日中に十分な活動を!
・・・なかなか、高齢になると自発的に動くことが少なくなってきます。特に冬場になると尚更ですよね。天候を見ながら、「一緒にお散歩しませんか」と促してみたり、家事の1つを何か手伝ってもらうのも良いと思います。
ご自身の受け入れがよければ、デイサービスやデイケアや頭や体を使うことはとても有効的です!!

② 日光浴
・・・午前中の日光浴が、効果的と言われています。昼と夜の時間的な区別を五感で感じるためにも暮らしのなかで太陽の光を取り組んでみましょう。

③ 眠り易い環境を
・・・寝室の温度・明るさ・寝具や寝間着を一緒に考え快い就寝環境を整えましょう。明るさにとっては、人によって安心する明るさは異なります。
ご本人と一緒に心地よい明るさを探してみましょう。

④ 軽食やマッサージ
・・・寝つきが悪いときには、ホットミルクなど温かい飲み物を勧めたり、特に留意しないといけない疾患がなければ軽食を提供することで穏やかに眠れることがあります。
また、血液の循環をよくすることも有効であるため、足浴やマッサージなど可能な範囲で取り組まれてはいかがでしょうか。

⑤ さびしさや不安はないですか?
・・・静かな空間で目を閉じるという睡眠行為に対して、不安やさびしさを抱く方もいます。そんなときには、誰かがそばにいて添い寝をしたり、「明日はカラオケで歌いましょう」などご本人が楽しみにできるような話題を提供することで満足して安心して入眠できることがあります。

⑥ 睡眠パターンの観察は大切です!
・・・人それぞれ、生活してきた環境によって睡眠パターンは違って当然です。眠れない睡眠の状態が、「不眠」なのか「今までの環境」なのかによっても対応法は異なってきます。

⑦ 夢を見ながら暴れている場合は起こして下さい
・・・夢を見ながら立ち上がったりする場合は、起こしてあげましょう。覚醒したとたんに、これらの行動がなくなり正気に戻った場合は、レム睡眠行動障害が疑われます。内服治療で改善する可能性がありますので、かかりつけ医に相談しましょう。

ご紹介した対応方法は一部の方法です。
上記の方法を試しても改善されない場合は、かかりつけ医の相談されるか、サービスをご利用中の方は相談しやすいスタッフに相談されてみてください♪

「病院を受診する」=「内服」ではありません。
もちろん、場合によっては、内服治療をすることがご本人のためになることもありますが、まずはご本人やご家族が今の状況を知るということが大事です。
心配なことや不安を打ち明ける場と思い相談すると、何か解決の糸口が見つかるかもしれません。

次回は、きっと悩まれている方も多いと思いますが、「妄想」について触れたいと思います。