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第256回〜てんかん③

 新年明けましておめでとうございます!本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 年末年始は、充実したお時間をお過ごしになられましたでしょうか?休み明けで日常生活に戻ることが少し大変ですよね(^・^;)
1週間頑張り、週末ゆっくりして落ち着きたいものですね!

 さて、今年も昨年に引き続き、「てんかん」についてお話しをしていきます。
今回は、発作のタイプと発作時の対処についてご紹介したいと思います。てんかん発作のタイプはここでご紹介できないほど多くのタイプがありますが、おおまかに3つに分けることができます。

① 意識のある発作:例)単純部分発作、ミオクロニー発作など
・・・上腹部に不快感を感じたり、不安感を感じたり、からだの一部分がひきつったり、全身がピクピクしたります。
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  *ポイント*
本人に発作の自覚があるので、話を聞いて不安な気持ちを落ち着かせ、リラックスできるようにしましょう。「いつもの発作だね。大丈夫」と本人にとって安心できる声かけをすると良いでしょう。


② 意識のはっきりしない発作:例)欠神発作、複雑部分発作など
 欠神発作とは、数秒から数十秒、意識を失う発作です。動きが止まり、ぼんやりしますが、すぐ元の動作に戻れます。また、複雑部分発作や欠神発作などでは、口をもぐもぐさせる、ぺちゃぺちゃならす、手をモゾモゾさせるなどの動きがみられることがあります(自動症)。
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  *ポイント*
・ 倒れそうなときは、支えて座らせます。
・ 注意深く観察し、意識が回復するのを待ちましょう。
・ 熱いものやコップなどは、遠ざけておきましょう。

☆ もうろう状態への対応
 このタイプに属するてんかん発作の場合、発作が終わってもすぐには意識が戻らず、もうろうとした状態がしばらく続くことがあります。その間は、立ちあがったり、動き回ろうとして、転んで怪我をする可能性があります。また、無理に押さえつけようとすると、人を傷つけることもあり、注意が必要です。
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  *ポイント*
・ 無理に行動を制限すると、かえって激しく抵抗されることがあるため、少し距離をおいて見守ってください。
・ 危険なものは遠ざけ、転落や事故の可能性がある場合には、さりげなく歩く方向を変えましょう。
・ 無理に押さえつけたりせず、行動を観察しながら、名前を呼ぶなどの声かけを行い、意識を戻るのを時々確認しましょう。


③ 意識のないけいれん:例)強直間代発作、前頭葉てんかんによる複雑部分発作など
・強直:突然意識を失って、全身に力が入り、突っ張った状態になります。
・間代:上記に続き、体が律動的にガクンガクンとけいれんします。
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  *ポイント*
・ 周囲に危険なものがあれば、遠ざけましょう。
・ きつい衣類はゆるめ、めがねは外しましょう。
・ けいれんが強いときは、頭を守るために頭の下に薄いクッションなどをしきましょう。
・ 力が抜けて、呼吸が回復してきたら、あごを軽く上げ、顔を横に向けます。

☆ 口の中に、箸やタオル、指などを絶対にいれない!
 窒息したり、歯が折れたり、指をかまれる危険があるためです。食事中に発作が起こった場合も、口の中の食べ物を取り除かず、頭を横に向けて、力が抜け自然に吐きだされるまで待ちます。

☆ 転倒による怪我を予防するために
 発作時の転倒による怪我に備えて、発作にあわせた対策を考えましょう。特に突然倒れる発作の場合には、一人での行動をなるべく少なくしましょう。
また、発作による怪我は、同じ部分である場合が多いため、それぞれの発作にあわせた保護帽やサポーターなどを使用するのも一つです。
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  *ポイント*
・ 室内に鋭利なものやストーブ・熱湯など危険なものを置かないようにしましょう。
・ 床には畳やカーペットなどをしき、テーブルなどの角にはクッション性のあるガードをつけておくとよいでしょう。


 今回は少し長くなってしまいましたが、少してんかんについてお分かりいただけたのではないでしょうか?次回は、「救急車を呼ぶときはどんなときか?」についてお話したいと思います。