虹海 総合支援ステーションから!

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第167回 うつ病へのサポート⑤

 紅葉が深まり、急に寒さが厳しくなってきましたが、体調管理は大丈夫でしょうか?
 当院では、インフルエンザの予防接種の件数が増え、お問い合わせも増えてきています。地域によっては、すでにインフルエンザの流行の兆しがみえるところもあるようです。

 さて、今回も引き続き、ご家族のためのうつ病サポートについて、お話しさせていただきます。
 うつ病治療においては、治療環境も大切となってきます。薬と並行して十分な休養をとることが必要ですが、頑張りすぎる患者さんは休むことに罪悪感を持ち、なかなか休養をとることができません。そんな時は、ご家族から「今は休んでもいいんだよ」と一言もらうだけで、患者さんは心の負担が軽くなります。精神的にも身体的にも負担の大きい状態では十分な治療効果が期待できないため、時には休職や入院などが必要なことがあります。
 ただ治療の場を提供するだけでなく、一番身近なご家族が本人のつらいときに“一緒にいる”ことが患者さんにとっての安心感に繋がります。物理的に時間を共に過ごすだけでなく、“眠れない”“やる気が起きない”など患者さんの苦しみを受け入れ、「今はつらいかもしれないけど、治療してきっとよくなるよ」と共感したりすることが精神的に一緒にいるということです。
 うつ病の治療期間が半年、1年となると、ご家族の精神的な負担も大きくなり、ご家族までもが心身ともに疲れ果ててしまうことがあります。共倒れしないために、ご家族自身もうつ病とうまく付き合うコツをみつけていくことが大切です。“励まし”や“気晴らし”は逆効果になることもあります。励まされても期待されても応えられない自分自身に嫌気がさしてつらくなったりするのです。ご家族としても「サポートをしてるのに」と回復に過度の期待をせず、「病気がよくなるまでゆっくり待とう」とサポートすることを諦めず、ゆとりをもって接することが大切です。また、患者さんが回復しないことへの不安もあると思います。そんな時は主治医に相談したり、病院スタッフに相談するなど、ご家族自身の不安を軽減できるサポートを見つけていくことも大切です。